【家族信託とは何か?】民事信託との違いもご説明します!

信託

ビートラック行政書士事務所 水谷です!

今回は家族信託・民事信託という制度についてご説明していきます♪

果たしてどのような制度で、どのような違いがあるのでしょうか!

📝こんな人におススメ

  • 家族信託に興味がある方
  • 民事信託とは何か知りたい方
  • 相続に備えたいと思っている方
  • 財産管理に興味がある方

📌家族信託と民事信託の違いは何か

まず、家族信託と民事信託とはどのような制度なのか、という本題に入る前に、

両制度の違いについて整理しておきます。

結論からですが、

両制度に法的な違いはありません💡

元々、民事信託という仕組みがあり、

家族信託は家族と結ぶ民事信託を特別にそう呼ぶようになった、ということです👂

特段、法律で「これこれの場合を家族信託という」などと定められていることはなく、

俗称にすぎません。

ですが、わかりやすさがあるので、呼称が普及しているという経緯があります😃

よって、家族信託に関する説明は、イコール民事信託の説明と思ってお読みください📚

📌信託の登場人物

従来から信託という制度はありました💡

信託法という法律があります。

その名の通り「信じて」「託す」ものです👀

信託の登場人物は3者です!

委託者、受託者、受益者です★

まず、委託者ですが、民事信託をお願いする側人のことです。

次に受託者ですが、こちらは委託者からの依頼を受ける人のことです。

最後に受益者は、信託によって利益を受ける人のことです。

委託者=受益者であってもよいので、2人で契約することもあり得ます。

📌他の制度との比較

🔖遺言、後見制度との比較

昨今、家族信託が注目されている理由は、

他の制度との比較で明らかになります💡

対比する制度は2つあります。

1つは遺言です。

遺言とは、死を契機として、自己の財産の帰属を決める制度です。

遺言書を作成し、

そこに「私のどこどこの土地は長男に、預貯金は次男に相続させる。

自動車は知人のAさんに贈与(遺贈)する」

などと書いておくのです。

死亡するまでは何の効力も生じませんし、

財産は、生きている限り引き続き遺言者のものですので、

売ろうが燃やそうが捨てようが全くの自由です💡

2つめは、後見制度です。

こちらは、精神上の障害により事理弁識能力が不十分・欠く状況にある場合に

その人を保護するための制度です。

Aさんが極度の認知症にかかってしまった場合を想像してください。

勝手に家を売ってしまう、ママチャリを騙されて1,000万円で買ってしまったなど

色々トラブルに巻き込まれる可能性がありますよね。

こうしたときに、後見の審判を(家庭裁判所より)受けていれば、

行った行為を取り消すことができるんです👀

取り消せば、行為はなかったことになるので、失った家も、払ったお金も戻ってきます。

つまり、判断能力が危うい人を守る制度なんです💡

🔖家族信託のメリット

さて、家族信託のメリットを2制度と比較してお話しますと、

考え方の基本として、「両制度の弱点を補足する」制度と言えるのではないでしょうか。

遺言も後見も非常に良い制度であることに間違いはありません👀

ですが、

遺言の場合は、死亡するまで効力が全く発生しません。

また、死後、せっかくあげた財産がどうなるのかわかりません。

後見に関して言えば、

後見人への費用も発生しますし、

お金の管理はしてもらえても、柔軟に運用をしていくには厳しいものがあります。

どちらかというと、「危ないことをしないように見守り、有事の際にはなかったことにする」制度ですので、

積極的に資産を増やしていくぞ!という制度ではありません。

この点、信託は、

1.生きているうちに行うことができる

2.運用を念頭にしている(受益者=利益を享受することができる人がいる)

という違いがあります💡

例えば、認知症になってからでは遅いので、

あらかじめ財産の管理・運用を人に任せておこうという制度です。

さらに、その「任せておこう」のあて先が、

昨日今日知り合った人ではなく、家族である点が「家族信託」の使い道なんです😀

📌制度の活用例と柔軟性

家族信託の活用例としては、

都内の一等地を持っているとして、

残念ながら本人にはその活用方法がわからないとします。

この場合、遺言で息子を相続先として指定しても、

いつ亡くなるかはわかりませんし、その間、せっかくの優良な土地が持ち腐れになります😣

認知症にでもなると、基本的に遺言は難しくなります

遺言は真意が何よりも大切なため、認知症というだけで、

本当に内容を理解したうえで遺言書を記載したのかわからないからです💡

後見についても、固定資産税の支払いとか、守りに関しては動けますが、

売り払うとなるとハードルが上がります。

基本的に家庭裁判所の許可が必要になるからです。

法律は、後見人を潜在的な悪になりえると考えています。

つまり、いくら後見人でも聖人ではないので、

魔がさすこともあれば、判断を誤ることや、場合によっては悪意を持って

財産を処分してしまうことがあろうだろう、と考えているのです。

そこで、重要な財産の処分など、一定の行為については家庭裁判所の許可を求めています

そんな時に家族信託の出番です💡

生きているうちに、

父「息子よ、私の土地を運用して利益をあげてくれ」

息子「わかりました」

というわけです。

他にも、

息子「お父さん。新宿にある100坪の土地。運用しないともったいないから管理してやるよ」

父「わかった。頼む」

というケースもあるでしょう。

お父様としては、理解力がはっきりしているうち、生きているうちに

自分の財産を息子の手によって管理できるわけですし、

息子に名義を移して利益だけをもらうこともできるので、柔軟性の高い使い道があります💡

さらにテクニカルな使い方も可能です。

遺言の場合、遺言を受ける側(相続人など)が、遺言者よりも先に亡くなると、

遺言の効果は発生しません。

父Aが「新宿の土地は息子Bに相続させる」という遺言を用意したとしても、

父Aより先に息子Bが死亡してしまうと、遺言の効力はなくなります。

息子Bの相続人(その息子Cなど)に向けて財産が移転するわけではないのです。

この点、家族信託は受益者の指定が可能ですので、

Bがなくなった場合は、その次としてCを指定するという方法が認められます。

こうしておけば、認知症になっても、

認知症になる前に、自分の財産の行く末を決めておくことができるため、

当のご本人の納得感や安心感が高くなります。

遺言書は何度でも書き直しが可能なので、

変更都度書き直せばいいのですが、

信託よりも手続きがかなり厳格なため、

何かあったらサクッと変更♪というほど、軽くはありません。

数年に一度なら有益ですが、頻度が高いと面倒くさいんです。

📌家族信託のデメリット

もちろん家族信託にもデメリットととれる内容があります。

制度は、活かすも死なすも、すべて使い方によるので、これはやむをえません😥

まず、スキームが複雑です🤔

誰を受益者にするのか、どういう財産をどういう運用にするのかなど、

信託契約の内容が非常に複雑になりがちです。

また、受益者がイコール利益を受ける人ですので、

生前に、誰を受益者とするのかというトラブルに、本人が巻き込まれる可能性があります。

遺言であれば、

亡くなるまで誰にも言わなければ、開封は本人の死後ですので、

妻「まあ、お父さんたら!財産を私に譲らないなんて、許せない!」という

小言を聞かされることもありません。。

📌まとめ

以上いかがでしたでしょうか。

多角化する世の中から発生する制度は複雑なものが多いです。

ただ、使いこなせば有益であることは間違いがありません💡

どのように活用していくかは、専門家のアドバイスが必須となりますので、

弁護士、司法書士、我々行政書士のような法律の専門家にご相談されることをお勧めいたします😊

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