【養子縁組って何?】相続・節税等にも影響します!!

養子

ビートラック行政書士事務所 水谷です!

今回は養子縁組制度について、その概要をご説明したいと思います♪

相続にも影響するこの制度。

どのような内容なのでしょうか?

📝こんな人におすすめ

  • 養子縁組を検討されている方
  • 養子縁組制度について知りたい方
  • 相続への影響が知りたい方

📌養子縁組とはどのような制度なのか

養子という言葉を聞いたことがある方も少なくないと思います。

養子・養子縁組とはどういったものなのでしょうか。

※ここでは、一般的によく使われる「普通養子縁組」について解説していきます。

🔖親子関係の創設

養子縁組の効果は条文に書いてあります💡

嫡出子の身分の取得 民法809条

養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する

・・よくわからん、という感じですね。

簡単に言うと、

法律上、

他人の子をあたかも実の子の様な取り扱いをする制度・そのような関係を創設する制度です💡

嫡出子の身分を取得するので、

お父さん・お母さんの実子と同じ権利が生まれますし、

実親(養子の実の親)の親権も消滅します。

結構強い権利なんです💡

親権を行使するのは原則「親」です。

養子の場合、法律で親を作り出しますので、実親と養親がカブってしまいます。

そこで、実親の親権を消滅させて、養親に一本化するんです。

親権を行使するものが複数いたら、子の福祉(子のため)にならないからです💡

何をするにも養親と実親の許可がいるとなると、鉛筆一本買えません。。

なお、養子縁組が解消すると、実親の親権が復活します!

コラム 嫡出子

嫡出子とは、婚姻関係にある男女から生まれた子のことです💡

対立概念は、非嫡出子です。

嫡出子は世の中で一番多い形なので、いってみれば、大体嫡出子です。

非嫡出子は、内縁の子とかです。

要するに未婚の男女の子です。

お母さんは、その子の母であることが出産により明らかなので良いですが、

お父さんは、認知をしないとその子の親になりません💡

「この子は私(男性)の子どもです」と認めたことを届け出るんです。

昨今、婚姻しないパートナー関係を選択される方も増えています。

🔖親族との関係

父母と子の関係についてはわかりましたね。

では、親族関係はどうなるのでしょうか?

こちらもまずは条文を見てみましょう♪

縁組による親族関係の発生 民法727条

養子と養親及びその血族との関係においては、

養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係が生じる

・・こちらもわかるようなわからんような、という感じでしょうか。

条文の句読点がないからわかりにくいんだと思います。

以下であればどうでしょう。

「養子と、養親及びその血族との関係」

すなわち、この条文は、「養子」と「養親&養親の血族」の関係を言っています。

それが、血族と同じ親族関係になると言うのです。

つまり、養子縁組とは、養子だけを取り込む制度なんです💡

「養親」と、「養子の親族」には何の関係も生じません。

養子縁組をすると、養子と、養親の実の父・兄弟などとはいわゆる親戚関係になるんです。

📌どうすれば養子縁組ができる?

養子縁組は届出によって効果が生じます。

これを「創設的届出」と言います。

つまり、宣言したり、当事者間で書面を交わすだけでは無意味で、

戸籍法の定めに従って、役所に届け出る必要があるんです💡

相続は戸籍に従って行います💡

戸籍に記載がない場合、相続からは基本、無視されます。

養子縁組をすると、制度上、後述の通り相続権が発生するため、

「ちゃんと戸籍に記載しておこうね」、ということになるんです。

コラム 届け出

前述の通り、養子縁組は創設的届出です。

他には婚姻・協議離婚なども創設的届出に分類します。

反対概念は報告的届出です💡

こちらは結果報告ですので、効果はもっと前に生じています。

例えば、出生届です。

別に、届け出たときに生まれたのではなく、既に生まれており、後付けで届け出るだけです。

その他、死亡届・調停離婚・調停離縁などもそうです。

ちなみに、協議離婚は創設的届出ですが、調停離婚は報告的届出です。

これは、調停で離婚が決まったのに、届け出なければ不成立としてしまうと、

離婚したくない方が妨害するとか、出し忘れてしまうとか色々問題がでそうですよね。

法律の実質的な理由としては、裁判もそうですが、

判決や調停で合意した瞬間に「意思表示」をしたこととなるためです。

📌相続への影響

養子縁組は相続に影響します💡

前述の通り、子どもを増やす制度だからです。

相続には相続順と呼ばれるものがあり、

相続が発生(人が亡くなる)すると、財産が相続人に移転します。

第一順位は、子なんです。(妻は常に相続人です)

子が複数いれば、原則等しく按分となりますので、

妻A、実子Bであれば、それぞれ2分の1ずつ相続権があったのに、

妻A、実子B、養子Cであれば、妻A4分の2,実子B4分の1、養子C4分の1となります。

実子Bの取り分が減りました。

このように、相続分に影響が出るんです。

📌養子縁組の活用シーンあれこれ

養子縁組の活用シーンを見ていきましょう💡

🔖子が欲しい

これが一番代表的でしょうか。

お子さんがいらっしゃらない家庭に迎え入れる場合などです。

様々な局面があるでしょうが、

非常に良い制度だなと思います😄

ですが、残念ながら、養子への虐待のニュースもたまに聞きます。

理由はともあれ最低の行為ですね。

縁組という名の通り、何かの縁です。子どもを大切にしてほしいものです。

🔖家を残す

歴史のある家ではたまに行います。

例えば、本家の山田家に子どもがおらず、分家の鈴木家は3兄弟がいる場合を例に挙げましょう。

今は本家、分家などという風習は少ないかもしれませんが、

私の田舎では今もあります。

このままでは本家山田の姓が途絶えてしまいますので、

鈴木家から一人、山田家に養子に出します。

養子は養親の氏(苗字)を称するというルールがありますので、

実際の血のつながりがある鈴木なにがしさんが、山田の名を残すことになります。

🔖相続分を増やす

なかなかテクニカルですが、相続分を増やすこともできます

代襲相続という相続形態が関係をする例を挙げます。

代襲相続とは、相続人がすでに亡くなっている場合に、

その亡くなった者の相続人が代わって相続人になる制度です。

わかりにくいので例を挙げます。

父A、息子B、息子C、息子D、息子Cの息子Eがいたとしましょう。

ここで父Aが無くなると、相続人はB、C、Dになります。

ところが、相続には「同時存在の原則」があるため、

相続開始時に生きていないと相続できないというルールがあります。

Aがなくなった際に、先にBが無くなっていると、Bは相続人になりません💡

この場合、CとDの二人で相続します。

さて、代襲相続ですが、仮に亡くなっていたのがBではなく、Cの場合はどうでしょう。

先ほどの理屈でいえば、Aの相続人は、今生きている、BとDになるはずです。

ところが、Cには息子Eがいます。

この時、EがあたかもCの代わりになるかのように、相続人として昇格するのです。

よってこのシーンでは、B、D、E(Cを代襲)の3名が相続人となり、

3分の1ずつ相続します。

だいぶ前置きが長くなりましたが、

次の時系列の場合、なんとEの相続分が増えます

①AとEが養子縁組をする

②Cが死亡する

③Aが死亡する

代襲相続と養子縁組の合わせ技が発動します。

まず、EはCを代襲しますよね。

ですが、養子縁組をしているので、EはAの息子(養子)でもあるわけです。

つまり、

自分が息子としての立場で相続+Cの代襲としての相続のダブルで相続権を取得するのです。

息子B、息子D、息子E、息子Cの代襲相続人Eの4者が相続人ですので、

Eは4分の1+4分の1で、2分の1相続することができます。

🔖節税対策

こちらも活用シーンが多いかもしれません。

養子は相続に関係します。

相続は相続税に関係するので、養子は相続税に関係すると言えます。

基礎控除額が増えるからです💡

税法上、養子を増やしても限度がありますので注意しましょう。

ですが、制度の悪用をする者が一定するいますので、

例えば、相続開始直前(お亡くなりになりかけている)に養子縁組をしたとします。

節税のためだけですので、遺産を引き継がせるつもりはないとします。

このような場合は、養子制度の本来の目的と逸脱している(単なる税金のがれ)ので、

基礎控除を受けられない可能性があります。

また、養子縁組自体、実質嘘と判断されると、公正証書原本不実記載罪などにもあたりえるので、

嘘の届出は、絶対に行わないようにしましょう✖

📌まとめ

いかがでしたでしょうか。

養子縁組とは古くからある手法ですが、

ひも解くと非常にテクニカルなものです。

利用方法は様々ですが、子に与える影響が非常に大きいため、

特に未成年の子と養子にとる場合は、

その子の福祉・利益を最優先で考えていただきたいなと思います

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