権利能力とは

民法

■権利能力とはなにか

権利能力とは何でしょうか。

答えは”権利または義務の主体となることができる地位・資格”のことです。

難しいですね・・。

“権利義務が~”など日常会話では出てきませんし、死ぬまで一度も口にすることがない人も少なくないと思います。

ですが、意識せずとも、権利義務を基礎としてこの世は回っています。

“権利・義務”については日本語の意味そのままで理解できると思います。

“〇〇してくれー”、”〇〇しないといけないー”ということです。

わかりにくいのは”主体となることができる地位・資格”のほうでしょうか。

この点は、”権利義務がない”のは何者か、という視点から考えたほうがわかりがいいかもしれません。

権利義務の主体となることができる地位・資格が”法律上”認められないのは、例えば”犬”です。

犬には法的には”えさをくれー”、”決まった場所でトイレしなくてはならないー”が認められません。

民法上、権利能力が認められるのは、”自然人”および”法人”です。

※自然人とは人、法人とは法人格が付与された人の集まり(≒会社)です。

例えば、とても賢い犬がコンビニのレジに魚肉とお金をもってきて”ワンワン”と言い、

店員が”はい、わかりました”といっても売買契約は成立しません。

犬は権利を得ることも、義務を負うことも(法的には)ないからです。

逆に客がコンビニで”これください”、店員が”はいいいですよ”といえば、売買契約成立です。

客にはお金を払う義務と商品を受け取る権利が、店員(店)には物を引き渡す義務、お金をもらう権利が生じます。

この権利及び義務を法的に受けることができるのは自然人と法人である、

というのが”主体となることができる地位資格”の正体です。

■人であれば誰にでも権利能力は認められるか

答えは”yes”です。

一部争いはありますが、民法第三条は次のように規定します。

“私権の享有は、出生に始まる。”

出生した瞬間、権利能力をgetします。

では、生まれたての赤ちゃんでも(コンビニでバブバブと言えば)一人で物を買えるのか?という問題がありますが、

これは制限行為能力者・意思能力という別の規定で保護が図られています。

よって一人では買えません。

ただ、親が赤ちゃんの代わりにものを買う(買ったミルクは赤ちゃんのもの)などは可能です。

普通は親が自分のお金で買って、ミルクを赤ちゃんにあげる(贈与)のでしょうが、理屈的には。。

さて、出生とは何でしょうか。

これは全部露出説という通説があります。

つまり完全に生まれた時点で権利能力getです。

※比較として刑法は一部露出説をとっているので、完全に生まれていない赤ちゃんを故意に傷つければ傷害罪成立です。

■まとめ

いかがでしたでしょうか。

権利能力の話は、民法の入り口です。

大学の授業でもここから話す教授が多いのではないでしょうか。

だいぶ前のことなので私は忘れましたが・・。

普段意識することがないことも、法的には規定がされているんだな、

ということをご理解いただければ十分かと思います。

当事務所では、法律の規定を基礎に様々な業務をこなしています。

これって、法律的にどうなんだろう?という疑問がお有りの方は、ぜひお声がけください。

場合によっては他士業と連携して誠実に対処させていただきます。

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