【相続人には順位と相続割合がある!?】誰が相続人になるのか事例を踏まえて解説します!

相続

ビートラック行政書士事務所 水谷です!

本日は相続が発生した場合の、相続人の順位について解説していきます!

併せて、相続により承継する割合もご説明します!

📝こんな人におススメ

  • 相続が発生してお困りの方
  • 家族の中で誰が相続人になるのかわからない方
  • 財産の何割取得できるのか知りたい方
  • 相続人を特定しようと思ったが、途中で分からなくなってしまった方
  • 戸籍謄本の収集を行政書士に依頼したい方

📌相続とは何か?

さて、相続とは何なのでしょうか?

これは、「人の死亡により、被相続人の地位が相続人に包括承継されること」です。

何だか難しいですね。。

かみ砕いて言いますと、

人が亡くなると、

残された人(相続人)に、亡くなった方の権利義務の一切が引き継がれることです。

つまり、預貯金も、借金も全て残された家族のものになります。

📌誰が相続人になるの?

📝家族は相続人?

では、誰が相続人になるのでしょうか?

家族でしょうか?

だとすると家族とは何なのでしょうか?

ペットも家族です。

旅の人でも10年一緒に暮らしていれば家族と呼べるかもしれません。

半分正解です💡

ですが、家族というあいまいなくくりではなく、

法律で厳格に定められています

📝相続人には順番がある

深入りするとややこしいのですが、まずは原則を押さえましょう。

1.常に相続人となる者

この世には常に相続人となる人がいます。

配偶者(夫・妻)です。

2.第一順位の相続人

です。

配偶者がいれば配偶者と同列1位です。

配偶者と異なるのは、配偶者は一人だが、子はたくさんいる可能性があるという点です。

この場合、子の数で平等に割ります

後述の具体例で示します

3.第二順位の相続人

直系尊属です。

言葉が難しいですが、要するに父・母/祖父・祖母など「上」の世代です。

子が第一順位ですので、子がいれば出番はありません。

第二順位者が相続するのは、子がいない場合です。

配偶者がいれば、配偶者とともに相続人になります

4.第三順位の相続人

兄弟姉妹です。

子もおらず、尊属もいなければようやく相続人として登場します。

以上です。

これらが全員いなければ、財産は最終的に国庫(国)に帰属します。

厳密には、その前に、代襲相続といって、孫や甥などが、

そのた利害関係人や共有者も登場しますが、

それらもいなければ国のものです。

コラム 配偶者の優遇

なぜ、配偶者は常に相続人となるのでしょうか。

民法(この世で一番メジャーで基本的な法律です)は配偶者を優遇しています。

なぜなら、配偶者は、他方配偶者の一番の味方(法律的には「寄与」などといいます)だと考えているからです。

例えば、夫が100億円の財を築いたとします。

それは夫のみの力でしょうか。

民法は違うと考えます。内助の功という言葉通り、夫婦の力だと考えます。

なので、他方がなくなった場合、

助力が一番大きかったであろう配偶者に必ず相続権を与えるとしたのです。

とまあ、ここまでが建前です。

完全に建前というわけではありませんが、

真実はその裏に隠されています。

それは、国の財政問題です。

日本では、夫が稼ぎ、妻が家事等々夫の仕事を支える構図が目立ちます。

ちなみに、最近は違うことも多いですが、

民法は明治時代に作られた法律(マイナーチェンジは繰り返していますが)ですので、

当時の思想を引き継いでいますので、一応そのように考えましょう。

話を戻します。

では、夫に先立たれた妻に一切相続権が無いとしたらどうなるでしょうか。

生活保護に行きつきます。

国は、それはまずいと考えました。

生活保護者が溢れたら国の財政を圧迫するからです。

なので、配偶者には必ず相続権を与えることとしたのです。

ちなみに、

「では、妻が先だった場合、夫は稼ぎがあるので、相続権がなくてもOKでは?」

と思われるかもしれませんが、

民法は「平等」を第一に考えています。

また民法の上位にある憲法も平等の精神で成り立っています。

これは想像ですが、

夫と妻の差別的扱いを明記できなかったのでしょう。

(初めからそういうつもりはなかったかもしれませんが・・)

コラム 兄弟姉妹が順番最後?

兄弟姉妹は第三順位の相続人です。

大事な妹、尊敬するお兄ちゃんなど、親より強い絆で結ばれた兄弟姉妹もいるでしょう。

ではなぜ三番目なのか。

これも、コラム「配偶者の優遇」で述べた理由と発想の出どころは同じです。

民法は古い時代の法律なんです。

当時は、今のような核家族ではなく、「家」が重要視されていました。

さらに「家長」「家督」という考え方もありました。

次男次女は家を出たり、同居していても立場が低かったのです。

(家督相続といって、家長が全財産を相続する時代もあったほどです)

そういった時代背景を受け、

兄弟姉妹は、他の兄弟姉妹の財産をあてにするな」(自分で頑張れ)、

という発想になったわけです。

📌法定相続分とは何か?

具体的事例を見る前に、法定相続分について説明いたします💡

法定相続分とは、法律で定められた相続の割合です。

相続分は、遺言や遺産分割によって修正が可能です。

修正されていないデフォルトの相続分ということです。

なお、あくまで「割合い」であって、個別の財産の割り振りの話ではありません

不動産の権利を1/2ずつの割合で相続といった具合であって、

A不動産は長男、B不動産は次男が相続という話ではありません。

個別財産の帰属(割り振り)については「遺産分割協議」によって決めます

相続を考える場合は、以下の手順がおすすめです💡

まず、相続人を確定させましょう。

その次に、相続割合を計算します。

📌法定相続分(割合)の計算ルール

法定相続分には計算ルールがあります。

場合分けで覚えましょう。

※父または母の一方のみを共通にする、

兄弟同士の相続の場合は例外がありますのでご注意ください。

また、配偶者が他方配偶者の親と養子縁組をしている場合にも例外があります。

細かいのでここでは割愛します。

1.配偶者のみの場合

全財産、配偶者のものです

2.同順位者のみの場合(=配偶者がいない場合)

頭数で按分します

3.配偶者と第一順位の場合

配偶者:第一順位=1:1です。

さらにルール2が適用されるので、

第一順位者間で按分します。

4.配偶者と第二順位の場合

配偶者:第二順位=2:1です。

さらにルール2が適用されるので、

第二順位者間で按分します

5.配偶者と第三順位の場合

配偶者:第三順位=3:1です。

さらにルール2が適用されるので、

第三順位者間で按分します。

📌具体的事例で見てみましょう!

🔖夫Aが亡くなり、配偶者Bと子C、子D、親Eが存命の場合

まず、相続人を確定させます。

配偶者は必ず相続人になりますので、まずはBです。

次に、子が第一順位、親は第二順位です。先順位者がいれば、

劣後する順位者はお呼びでないので、

親(第二順位)は相続人には当たりません。

よって、BとCとDが相続人になります。

次に相続割合です。

「法定相続分(割合)の計算ルール」に沿って計算します。

配偶者:第一順位=1:1です。

第一順位が2人いるので、頭数で按分します。

結果、B2/4、C1/4、D1/4となります。

CとDは一括りで「第一順位」です。

🔖夫Aが亡くなり、配偶者Bと父Cが存命の場合。子、母はすでに死亡していた。

民法には、同時存在の原則があります。

つまり、相続開始時に生きていないと相続できないことになります。

では、見ていきましょう。

まず配偶者Bは相続人になります。

子がいないので、第二順位に移ります。

第二順位は父・母ですが、同時存在の原則により、亡母に相続権はありません。

よって、B:C=2:1で相続します。

🔖夫Aが亡くなり、配偶者Bと祖父C、兄Dが存命の場合。子、父、母は既に死亡していた。

父・母が死亡していますが、その父(Aからすると祖父)は存命です。

この場合、祖父Cが第二順位の相続人となり、兄Dの出番はありません。

第二順位者の定義は「尊属(上の世代)」であって、「親」ではないからです。

ちなみに祖父が死亡していて、曾祖父が存命の場合も同様です。

あとは簡単です。

B:C=2:1です。

🔖夫Aが亡くなり、配偶者Bと孫Cが存命の場合。子は既に死亡していた

代襲相続が発生する事例です。

代襲相続とは、相続人の立場を代襲することです。

子が生きていれば、本来であれば、その子が相続人でした。

しかし、同時存在の原則があるため、子は相続人になれません。

ですが、孫がいるわけです。

この場合に、子の相続人たる地位を、その子ども(孫C)が代わって相続します。

答えは、B:C=1:1です。

ちなみに、代襲は「下」(孫、ひ孫・・・)に生じるものですので、

「上」(曾祖父・・・)には生じません。

例えば、Aの親である父Bが存命、母C死亡、母Cの親D存命の場合、

代襲が生じるのであれば、親Dが母Cに代わるはずです。

しかし「上」には代襲しない決まりなので、

父B(最も近い尊属)が相続して終了です。母Cは同時存在の原則により相続権無しで確定・終了となります。

📌行政書士など専門家の活用のススメ

基本的な考え方はご理解いただけたかと思います。

ですが、まだまだ書ききれない事例が山のようにあります。

また、第二次世界大戦前などは、

特に、婚姻関係が複雑なケースが多く(戦死による再婚など)、

兄弟も10人越えのケースもあります❗。

これらの相続分計算は、素人には至難の業でしょう。

間違えると諸々の手続きが無効・取消しになりえます。

行政書士など専門家に頼るのが確実で早いと思います。

弊所は相続を得意としていますので、

複雑な相続関係を読み解くことが可能です。

やり方がわからない方、自信がない方、途中で行き詰ってしまった方など、

ぜひお問い合わせくださいませ。

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